あるブログより
江戸後期の禅僧、良寛和尚の逸話を知っていますか。
マイナスでもプラスでもない、「ゼロ思考」のお話です。
良寛の名声をねたむ一人の船頭がいました。
その船頭は、良寛が舟に乗ったとき、
川の真ん中でわざと大きく舟を揺らしました。
良寛は、川の中に投げ出され溺れます。
が、
船頭を恨むこともなく、運命を甘んじて受け入れ、死に向かいます。
その泰然たる様子に、さすがに船頭は良寛を舟に引き上げます。
そこで、引き揚げられた和尚は、何と言ったと思いますか?
「命を助けてくれてありがとう。あなたは私の命の恩人です。
このご恩は決して忘れません」
と手を合わせたというのです。
一見、プラス思考のように思えるかもしれません。
でも良寛和尚は、突き落とされたことを
マイナスにもプラスにも解釈するのではなく、
ただ水の中に投げ出された事実と一緒にいたのです。
そして、船頭のその後の人生にとてつもない影響を与えました。
良寛は、自分のためにプラス思考をしたのではないのです。
マイナスでもプラスでもない「ゼロ思考」をまず、することができたのです。
「ただ、事実を事実として、受け入れる」
これは、本当の現実主義者です。
そのあとに、プラスかマイナスか、
どう解釈するかは、あなたの「宇宙」です。
「あなたのことは嫌いだ!」と言われたとき、
「あ、そうなんだ!」とただそう言われたと受け止めることができたら
すごいですね。
そして、その後、あなたは何と言いますか?
今日は、解釈する前に、ちょっと難しいかもしれませんが、
ただ、事実を事実としてとらえてみませんか?
あ、そうそう、良寛和尚の号は、「大愚」。
ありがとうございます